下記の使用量はあくまでも目安となります。
実際の使用においては医師の指示に基づき、適切な量を使用するようにしてください。
肺がん、消化器官(胃がん、胆のう・胆管がん、すい臓がん、肝がん、結腸がん、直腸がんなど)、乳がん、骨肉腫の場合
1.1日量10mg(0.2mg/kg)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回4-6日間連日静脈内ワンショット投与後、7-10日間休薬します。
この方法を1クールとし、2-3クール繰り返します。
2.1日量20mg(0.4mg/kg)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回2-3日間静脈内にワンショット投与後、7-10日間休薬します。
この方法を1クールとし、2-3クール繰り返します。
3.1日量20-30mg(0.4-0.6mg/kg)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回、3日間連日静脈内にワンショット投与後、18日間休薬します。
この方法を1クールとし、2-3クール繰り返します。
4.総投与量はドキソルビシン塩酸塩として500mg/m2(体表面積)とします。
悪性リンパ腫
5.上記1-3に従います。
6.ほかの抗悪性腫瘍剤との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の使用量および使用方法は、以下のとおりとします。
1) ドキソルビシン塩酸塩として1日1回25-50mg/m2
(体表面積)を静脈内投与し、繰り返す場合には少なくとも2週間以上の間隔をあけて投与します。
2) ドキソルビシン塩酸塩として1日目は40mg/m2(体表面積)、8日目は30mg/m2
(体表面積)を静脈内投与し、その後20日間休薬します。この方法を1クールとし、投与を繰り返します。
投与に際しては、日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液により希釈します。なお、年齢、併用薬、状態に応じて適宜減量します。また、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg/m 2(体表面積)以下とします。
乳がん(手術可能性における術前、あるいは術後化学療法)に対するほかの抗悪性腫瘍との併用商法の場合
7.シクロホスファミド水和物との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量および投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として60mg/m 2(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与後、20日間休薬します。
この方法を1クールとし、4クール繰り返します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg/m2(体表面積)以下とします。
子宮体がん(術後化学療法、転移・再発時化学療法)に対するほかの抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
8.シスプラチンとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の使用量および使用方法は、1日量60mg/m2
(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与し、その後休薬し3週ごとに繰り返します。
なお、年齢、症状により適宜減量します。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg/m2(体表面積)以下とします。
悪性骨・軟部腫瘍に対するほかの抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
9.イホスファミドとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の使用量および投与方法は、1日量20-30mg/m2
(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回3日間連続で静脈内投与し、その後休薬し3-4週ごとに繰り返します。
なお、年齢、症状により適宜減量します。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg/m2(体表面積)以下とします。
ズビドックス注射液50mg単剤では3、4に従います。
悪性骨腫瘍に対するほかの抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
10.シスプラチンとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の使用量および投与方法は、1日量20mg/m2
なお、年齢、症状により適宜減量します。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg/m2(体表面積)以下とします。
多発性骨髄腫に対するほかの抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
11.ビンクリスチン硫酸塩、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の使用量および投与方法は、1日量9mg/m 2
(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液に希釈して24時間持続静注します。これを4日間連続で行ないます。その後休薬し、3-4週ごと繰り返す方法を1クールとします。
なお、年齢、症状により適宜減量します。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg/m2(体表面積)以下とします。
小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫など)に対するほかの抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
12.ほかの抗悪性腫瘍剤との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の使用量および投与方法は、以下のとおりです。
1)1日20-40mg/m2(体表面積)を24時間持続点滴1コース20-80mg/m2
(体表面積)24-96時間かけて投与し、繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与します。1日投与量は最大40mg/m 2(体表面積)とします。
2)1日1回20-40mg/m2(体表面積)を静注または点滴静注
1コース20-80mg/m2
(体表面積)を投与し、繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与します。1日投与量は最大40mg/m2
(体表面積)とします。
投与に際しては、日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液により希釈します。なお、年齢、併用薬、状態に応じて適宜減量します。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg/m 2(体表面積)以下とします。
膀胱腫瘍の場合
13.1日量、30-60mg/m2(体表面積)を20-40mLの日局生理食塩液に1-2mg/mLになる
ように溶解し、1日1回連日または週2-3回膀胱腔内に注入します。
また、年齢・症状に応じて適宜増減します。
(ドキソルビシン塩酸塩の膀胱腔内注入法)
ネラトンカテーテルで導尿し、充分に膀胱腔内を空にしたのち同カテーテルより、ドキソルビシン塩酸塩30-60mgを20-40mLの日局生理食塩液に1-2mg/mLになるように溶解して膀胱腔内に注入し、1-2時間膀胱把持します。
◆M-VAC療法
効能・効果: 尿路上皮がん
メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩およびシスプラチンとの併用において、通常、ドキソルビシン塩酸塩を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、成人1回30mg/m 2(体表面積)を静脈内に注射します。
なお、年齢、症状により適宜減量します。
標準的な使用量および投与方法は、メトトレキサート30mg/m2を1日目に投与した後、2日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/m 2、ドキソルビシン塩酸塩30mg/m2およびシスプラチン70mg//m2
を静脈内に注射します。15日目および22日目に、メトトレキサート30mg//m2およびビンブラスチン硫酸塩3mg//m2を静脈内に注射します。これを1クールとして4週ごとに繰り返しますが、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg//m 2以下とします。