【警告】
・タグリックス80mgは、緊急時に充分に対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、添付文書を参照して、適切と判断される症例についてのみ使用を検討してください。また治療開始に先立ち、家族にタグリッソ80mgの有効性および危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った症例があることなどに関する情報)、非小細胞肺がんの治療法などを充分に理解し、同意を得てから使用してください。
・タグリックス80mgの使用により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、使用期間中にわたり、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱など)の確認および定期的な胸部画像検査の実施など、観察を充分に行なってください。異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行なってください。また特に治療初期は入院またはそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患などの重篤な副作用発現に関する観察を充分に行なってください。
・タグリックス80mgの使用開始前に、胸部CT検査および問診を実施し、間質性肺疾患の合併または既往歴がないことを確認した上で、使用の可否を慎重に判断してください。
【禁忌】
・タグリックス80mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・妊婦または妊娠している可能性のある人
【慎重服用】
・間質性肺疾患のある人、またはその既往歴のある人
・中等度または重度の肝機能障害のある人
・QT間隔延長のおそれ、またはその既往歴のある人
【重要な基本的注意】
・間質性肺疾患があらわれることがあり、特にタグリックス80mgの使用開始12週間以内の発現が多いことが報告されています。初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱など)の確認および定期的な胸部画像検査の実施など、観察を充分に行なってください。必要に応じて、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺核酸能力(DLco)などの検査を行なってください。また初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
・QT間隔延長があらわれることがあるので、タグリックス80mg使用開始前および使用中は定期的に心電図検査および電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)を行ない、状態を充分に観察してください。また、必要に応じて電解質補正を行なってください。
・血小板減少、好中球減少、白血球減少、貧血があらわれることがあるので、タグリックス80mgの使用開始前および使用中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画など)を行ない、状態を充分に観察してください。
・ALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンなどの上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、タグリックス80mgの使用開始前および使用中は定期的に肝機能検査を行ない、状態を充分に観察してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・充分な経験を有する病理医または検査施設における検査により、EGFRT7900M変異陽性が確認された場合に使用してください。検査にあたっては、承認された体外診断薬を用いて測定してください。
・タグリックス80mgの有効性および安全性を充分に理解した上で、タグリックス80mg以外の治療の実施についても慎重に検討してください。
・タグリックス80mgの術後補助化学療法における有効性および安全性は確立していません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・ほかの抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性および安全性は確立していません。
・副作用がみられた場合は、症状、重症度などに応じて、以下の基準を考慮して、タグリックス80mgを休薬、減量または中止してください。タグリックス80mgを減量する場合には、40mgを1日1回使用してください。
タグリックス
80mg
の休薬、減量および中止基準の目安
副作用
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程度
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処置
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間質性肺疾患/肺臓炎
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―
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タグリックス80mgの使用を中止します。
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QT間隔延長
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550msecを超えるQTc値が認められる
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481msec未満またはベースラインに回復するまでタグリッソ80mgを休薬します。481msec未満またはベースラインに回復した後、タグリックス80mgを減量し、使用を再開します。3週間以内に回復しない場合はタグリックス80mgの使用を中止してください。
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重篤な不整脈の症状/兆候を伴うQT間隔延長
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Grade2以下に改善するまでタグリックス80mgの使用を中止します。
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その他の副作用
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Grade3以上
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Grade2以下に改善するまでタグリックス80mgを休薬します。Grade2以下に回復した後、必要に応じてタグリックス80mgの減量を考慮し、使用を再開します。3週間以内にGrade2以下に回復しない場合はタグリックス80mgの使用を中止してください。
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※GradeはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)Ver.4.0 に基づく。
【高齢者】
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすいので、状態を観察しながら慎重に使用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある女性は使用しないでください。また妊娠可能な女性は、タグリッソ80mgの使用中および使用終了後一定期間は適切な避妊を行なってください。
・パートナーが妊娠する可能性がある男性は、タグリッソ80mgの使用中および使用終了後一定期間は適切な避妊を行なうようにしてください。
・授乳中の女性は使用を避け、やむを得ず使用する場合には授乳を中止してください。
【小児など】
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。