【警告】
・テセントリク点滴静注1200mgは、緊急時に充分対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、テセントリク点滴静注1200mgの使用が適切と判断される症例についてのみ使用してください。また治療開始に先立ち、家族にも有効性および危険性を充分説明し、同意を得てから使用してください。
・間質性肺疾患があらわれ、脂肪に至った症例も報告されているので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱など)の確認および胸部X線検査の実施など、状態を充分に観察してください。異常が認められた場合にはテセントリク点滴静注1200mgの使用を中止し、副腎皮質ホルモン剤の使用などの適切な処置を行なってください。
【禁忌】
・テセントリク点滴静注1200mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
【慎重使用】
・自己免疫疾患の合併または慢性的もしくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある人: 免疫関連の副作用が発現または増悪するおそれがあります。
・間質性肺疾患のある人またはその既往歴のある人: 間質性肺疾患が発現または再発するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・テセントリク点滴静注1200mgのT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられるさまざまな疾患や病態があらわれることがあります。状態を充分に観察し、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行なってください。過度の免疫反応による副作用が疑われた場合には、副腎皮質ホルモン剤の使用などを考慮してください。またテセントリク点滴静注1200mgの使用後に重篤な副作用があらわれることがあるので、テセントリク点滴静注1200mg使用終了後も状態を充分に観察してください。
・間質性肺疾患があらわれることがあるので、テセントリク点滴静注1200mgの使用にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱など)の確認および胸部X線検査の実施など、状態を充分に観察してください。また必要に応じて、胸部CT、血清マーカーなどの検査を実施してください。
・AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、ビリルビンなどの上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、テセントリク点滴静注1200mgの使用開始前および使用期間中は定期的に肝機能検査を行ない、状態を充分に観察してください。
・甲状腺機能障害、副腎機能障害および下垂体機能障害があらわれることがあるので、テセントリク点滴静注1200mgの使用開始前および使用期間中は定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4などの測定)などを行ない、状態を充分に観察してください。また必要に応じて、血中コルチゾール、ACTHなどの臨床検査、画像検査などの自sh氏も考慮してください。
・Infusion reactionがあらわれることがあります。Infusion
reactionが認められた場合には、適切な処置を行なうとともに、症状が回復するまで状態を充分に観察してください。
・化学療法未治療の扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの人において、テセントリク点滴静注1200mgとカルボプラチン、パクリタキセルおよびベバシズマブ(遺伝子組換え)を使用する際には、発熱性好中球減少症があらわれることがあるので、使用中は定期的に血液検査を行なうなど、状態を充分に観察してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・化学療法未治療の扁平上皮がんの人におけるテセントリク点滴静注1200mgの有効性および安全性は確立していません。
・テセントリク点滴静注1200mgの術後補助療法における有効性および安全性は確立していません。
・臨床試験に組み入れられた人の前治療歴などについて、テセントリク点滴静注1200mgの有効性および安全性を充分に理解した上で、適応者の選択を行なってください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんにおいて、ほかの抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性および安全性は確立していません。
・使用時にはテセントリク点滴静注1200mgを20mL注射筒で抜き取り、日局生理食塩液薬250mLに添加し、点滴静注します。
・テセントリク点滴静注1200mgの使用により副作用が発現した場合、以下の基準を目安に、テセントリク点滴静注1200mgの休薬などを考慮してください。
副作用
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程度
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処置
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間質性肺疾患などの呼吸器障害
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Grade 2の場合
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Grade 3以上または再発性の場合
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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肝機能障害
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Grade
2(ASTもしくはALTが基準値上限の3-5倍または総ビリルビンが基準値上限の1.5-3倍の増加)が5日を超えて継続する場合
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Grade 3以上(ASTもしくはALTが基準値上限の5倍超または総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加)の場合
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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大腸炎/下痢
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Grade 2または3の場合
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Grade 4の場合
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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膵炎
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・Grade 3以上のアミラーゼまたはリパーゼ高値
・Grade 2または3の膵炎
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血糖値が安定するまでテセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Grade 4または再発性の膵炎
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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内分泌障害
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Grade 3以上の高血糖
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血糖値が安定するまでテセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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・症候性の甲状腺機能低下症
・症候性の甲状腺機能亢進症、または甲状腺刺激ホルモン値0.1mU/L未満の無症候性の甲状腺機能亢進症
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左記の状態が回復するまでテセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
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Grade 2以上の副腎機能不全
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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・Grade 2または3の下垂体炎
・Grade 2または3の下垂体機能低下症
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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・Grade 4または再発性の下垂体炎
・Grade 4または再発性の下垂体機能低下症
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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脳炎、髄膜炎
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全Grade
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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神経障害
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Grade 2の場合
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Grade 3以上の場合
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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全Gradeのギラン・バレー症候群
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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重症筋無力症
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全Grade
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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皮膚障害
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Grade 3の場合
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Grade 4の場合
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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腎炎
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Grade 2の場合
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Grade 3以上の場合
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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眼障害
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Grade 2の場合
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Grade 1以下に回復するまで、テセントリク点滴静注1200mgを休薬します。
12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合は、テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Grade 3以上の場合
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テセントリク点滴静注1200mgを中止します。
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Infusion reaction
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Grade 1の場合
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使用速度を50%に減速します。なお、軽快した後30分間経過観察し、再発しない場合には使用速度を元に戻すことができます。
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Grade 2の場合
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使用を中断し、軽快後に使用速度を50%に減速し再開します。
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Grade 3以上の場合
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テセントリク点滴静注1200mgをただちに中止します。
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GradeはNCI-CTCAE(National Cancer Institute-Common Terminology Criteria for
Adverse Events)v.4.0に準じる。
【適用上の注意】
調整時
・調整時には、日局生理食塩液以外は使用しないでください。
・調整時は静かに転倒混和してください。
・用時調整し、調製後は速やかに使用してください。
使用時
・0.2または0.22μmのインラインフィルターを使用してください。
・点滴静注のみとし、静脈内大量投与、急速静注はしないでください。
・多剤との混注はしないでください。
【その他の注意】
・国内外の臨床試験において、アテゾリズマブに対する郊外の産生が報告されています。
【高齢者】
・一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、状態を観察しながら慎重に使用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・テセントリク点滴静注1200mgの妊娠中の使用に関する安全性は確立していないので、妊婦または妊娠している可能性のある人はテセントリク点滴静注1200mgを使用しないことを原則としますが、やむを得ず使用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。また、妊娠する可能性のある人は、テセントリク点滴静注1200mg使用中および最終使用後一定期間は適切な避妊を用いてください。
・授乳期に使用する場合には、授乳を中止してください。
【小児など】
・低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。